動画の企画・構成

動画企画書の作り方|社内提案と制作依頼に使える記入例

編集:MdiiiuM / 監修:須平 敦宣

公開 / 更新

企画書の用紙とカメラを置いた動画制作の準備机。AI生成イメージ
動画企画の準備を表すAI生成イメージ

この記事の要点

  • 最初に書くのは、誰がどんな場面で動画を見て、何を理解できればよいかです。
  • 伝えたい特徴を、実際に見せられる動作や画面に置き換えると構成を考えやすくなります。
  • 予算と納期に加えて、納品物・素材・承認者・修正の範囲を共有してから制作を依頼します。

「来月の展示会までにサービス紹介の動画を作りたい」。そう頼まれて参考動画を集めたものの、企画書の最初の一行で止まってしまう。そんなときは、動画の雰囲気より先に、展示会へ来る人が何を知らずに困っているかを書いてみてください。

動画企画書は、見る人と伝える内容、制作の条件を関係者で共有するための資料です。最初から完成した台本や細かな絵コンテを用意する必要はありません。この記事では、社内で制作の承認を得て、外部の制作担当者へ相談するところまでを、架空のサービスの記入例で説明します。

誰に何を決めてもらう企画書なのかを考える

同じ動画でも、上司に予算を相談する資料と、撮影担当者へ仕事を依頼する資料では詳しく書く場所が違います。企画書を読む相手が、その場で何を判断するのかを先に決めましょう。

むびるの企画書解説でも、目的・対象・メッセージ・配信媒体が基本項目として挙げられています。本記事ではその情報に、決まっていない条件と確認する相手を加え、相談に使える形でまとめます。

出典:むびるプラス:動画制作の企画書の作り方

社内提案では制作する理由と使い道を示す

「競合も動画を出しているから」だけでは、何に費用をかけるべきか判断できません。例えば、展示会で操作方法の説明に時間がかかっているなら、担当者への聞き取りをもとに、どの操作を先に見せたいかを書きます。動画を置く場所と、その後に営業担当が説明する内容まで示すと、使い道を具体的に話し合えます。

制作の相談では決定事項と未決事項を分ける

公開日が決まっていても、撮影場所や出演者までは決まっていないことがあります。空欄のまま渡すより、「撮影場所は社内会議室を候補に、総務へ確認中」と書いておきましょう。制作担当者も、その条件を待つ必要があるのか、別案を考えればよいのか判断できます。

見る人が知りたいことを一つの場面に絞る

ここからは、電話で予約を受けている小さな店舗に、オンライン予約サービスを紹介する架空の例で考えます。対象を「店舗経営者」とだけ書くと、集客、採用、会計など、話がいくつもの方向へ広がります。

今回の企画では、「接客中に予約の電話が重なる店で、オンライン受付への切り替えを検討している人」を想定します。知りたいのは機能の一覧よりも、お客さんが予約すると店側に何が届き、スタッフが何をすればよいかです。この想定が実際の顧客に合うかは、営業担当や利用者への聞き取りで確かめます。

伝える答えを決めてから必要な画面を集める

この動画で伝える答えを「予約の受付から店側の確認までの流れが分かる」と置きます。必要になるのは、予約する画面、通知を受け取る画面、スタッフが確認する操作です。売上が増える、必ず仕事が楽になるといった結果は、この操作を見せただけでは説明できません。

参考動画を添える場合も、「この動画のように」だけで済ませず、画面の拡大方法や説明の速さなど、参考にしたい点を書いてください。好きな映像の雰囲気と、今回必要な説明を分けて話せるようになります。

記入例を使って企画書の初稿を作る

次の表は、架空の予約サービスを商談前に見てもらう動画の企画書です。90秒という長さも説明のための設定で、どの動画にも適した尺という意味ではありません。自社で使うときは、各項目を担当者が確認できる情報に置き換えてください。

サービス紹介動画の企画書:架空の記入例

企画名
予約が入ってから店側が確認するまでを見せる90秒動画
背景と目的
初回商談で受付の流れについて質問されるという仮説を置く。営業担当に実際の質問を確認し、操作の説明に使う。
見る人と視聴場面
電話予約からの切り替えを検討する店舗担当者。商談前に案内するサービスページで見る。
伝える内容
顧客の予約操作、店舗への通知、スタッフによる確認の順番を見せる。
必要な素材
個人情報の入っていないデモ画面、撮影可能な端末、確認済みの操作説明。
納品物
横向きの本編1本と字幕入り版を候補とする。長さ・形式・別サイズの要否は制作担当者と決める。
予算
承認された上限と見積対象の作業を記入。未承認なら、上限を確認する人と回答日を記す。
日程と承認者
公開日から逆算し、構成は営業責任者、操作画面は製品担当者、最終版は発注責任者が確認する。
公開後に確かめること
営業担当が説明に使えたか、受付の流れについてどんな質問が残ったかを聞く。

説明したい内容を撮れる場面に変える

電話と予約帳、予約画面、確認を表す3枚の場面カード
説明する順番を場面ごとに考えるためのAI生成イメージです。実際のサービス画面や案件の絵コンテではありません。

「便利な予約サービスです」という一文だけでは、撮影するものが決まりません。どの画面の何を見れば仕組みが分かるのかを考え、場面ごとに書き出します。ここまで決めると、画面収録で足りるのか、店舗での撮影が必要なのかも相談できます。

90秒の構成案:尺を配分する架空の例

導入:15秒
画面で見せること
電話と予約帳、対応が重なる場面を示す短い図
伝えること
どんな店の受付を想定しているか
予約:25秒
画面で見せること
デモ画面で日時を選び、予約を送る操作
伝えること
お客さんが行うこと
店舗の確認:35秒
画面で見せること
通知を開き、内容を確かめる操作
伝えること
予約を受けたスタッフが行うこと
案内:15秒
画面で見せること
デモの案内と問い合わせ先
伝えること
詳しい操作を確かめる次の方法

説明を声に出して読み、操作を見る時間を残す

構成案を作ったら、仮の説明を声に出して読みながら操作してみましょう。言葉を読むだけで時間を使い切るなら、視聴者が画面を確かめる余裕がありません。説明する項目を減らすか、詳しい操作を別の動画へ分けるかを検討します。

営業、開発、経営から追加したい内容が出たときは、それが今回の疑問に答えるために必要かを確認します。料金や会社の沿革など、サービスページに書ける情報もあります。何を別の場所で説明するかまで記録しておくと、同じ議論を繰り返さずに済みます。

見積もりを頼む前に作業範囲と確認日程をそろえる

見積もりを比べるときは、本編の長さに加えて、誰が素材と台本を用意するかをそろえます。発注側が原稿を渡す場合と、取材から依頼する場合では、含まれる作業が変わります。

企画を一緒に考えるところから相談したい場合は、現在の案、見る人、使用場所、公開希望日を共有してください。完成した企画書を待たなくても、何を先に決める必要があるかを話し合えます。

企画・撮影・編集・納品のどこまで含むかを確かめる

台本の作成、撮影場所や出演者の手配、画面収録、編集、字幕、ナレーションなど、必要な作業を見積書と照らし合わせます。別の縦横比への編集や短縮版、編集用データの受け渡しも、必要なら最初に伝えます。追加修正や撮り直しが発生する条件も確認しましょう。

公開日だけでなく社内が返事をする日を決める

制作側の納品日だけを決めても、社内確認が止まれば公開は遅れます。構成の確認、素材の確定、初稿への返答、最終確認を予定表に入れ、それぞれの回答者を決めます。操作説明と会社の表現方針を別の担当者が見る場合は、指摘をまとめて制作側へ返す窓口も必要です。

承認後に方針が変わったら、変更したい箇所と理由を先に伝えます。「全体をもっと明るく」より、「初めて使う人が操作を難しく感じないよう、専門用語を減らしたい」と書いた方が、直す場所を検討できます。

企画書や構成の段階で相談したい方は、MdiiiuMの動画企画・台本の相談をご覧ください。目的と制作体制を伺い、支援する範囲をご提案します。

公開後に残った疑問を次の企画へ戻す

公開したら、企画書に書いた使い方で動画を案内できているか確認します。サービスページに埋め込んだだけで、営業担当が存在を知らないようでは、商談前に見てもらう予定が実行されません。案内するメールや資料にもリンクを載せ、担当者に使い方を共有します。

再生の数字を確認できる場合も、商談の反応と分けて記録します。「予約は分かったが、キャンセル時の対応が分からない」という質問が残ったなら、次の動画やFAQで扱う候補です。売上の変化を動画だけの成果と決めず、まず企画時に解消したかった疑問に答えられたかを確かめましょう。

まとめ

動画企画書の初稿は、見る人が知りたいことと、それを説明できる場面から作れます。未決事項は確認する相手と期限を書いて残し、見積もりの前に納品物と作業範囲をそろえましょう。公開後に寄せられた質問も記録すると、企画書を次の説明や動画に使えます。

よくある質問

動画企画書は何ページ必要ですか?
決まった枚数はありません。初回の相談では目的・対象・内容・条件をひとまとまりにして、画面の参考資料や詳しい日程を別に添える方法があります。読む相手が判断できる情報がそろっているかで確かめてください。
企画書と台本、絵コンテはどう違いますか?
企画書は目的や制作条件を共有する資料、台本は場面や話す内容を具体化する資料です。絵コンテでは画面の構図や動きを絵で示します。現場によって呼び方やまとめ方が違うため、依頼時に必要な資料と詳しさを確認します。
予算が決まっていなくても相談できますか?
相談時に未確定であることを伝え、使用場所・公開希望日・必要な内容を共有しましょう。社内で検討できる上限や、優先したい作業が分かれば併せて伝えます。具体的な制作条件と金額は見積もりで確かめます。
撮影が必要かどうかも決まっていません。
見せたい場面と手元の素材を先に整理します。画面操作なら収録、商品の動きなら撮影、仕組みの説明なら図を使うなど、内容に合わせて検討できます。使える素材の状態も含めて制作担当者へ相談してください。

出典・参考資料

記入例・比較表は、考え方を説明するための編集例です。実際の案件や成果を示すものではありません。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。

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監修範囲:企画書の項目、構成例、制作条件、FAQとサービス案内。監修日:

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MdiiiuMでは、動画の目的や見る人を伺い、企画・構成・台本を一緒に考えます。企画書の初稿、参考動画、使用場所、希望日程があればご共有ください。既存案のレビューを含め、目的と制作体制に応じて支援内容をご提案します。

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