PR・広報戦略

商品PRの企画づくり|アイデアを出して選ぶまでの具体例

編集:MdiiiuM / 監修:須平 敦宣

公開 / 更新

折りたたみ収納箱と異なる使用場面のカードを並べ、PR企画を考えるイメージ
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この記事の要点

  • 商品を作る人や売る人に話を聞くと、資料だけでは分からない企画の材料が集まります。
  • 同じ商品でも使う場面を見せる企画や実際に操作してもらう企画など、複数の案を考えられます。
  • 案を選ぶときは伝えたいことに加え、必要な素材や人手を用意できるかも確認します。

新商品のPRを任されて資料を開いたものの、「便利」「丈夫」「場所を取らない」といった特徴から先へ進めないことがあります。ほかの会社のキャンペーンを参考にしても、自社の商品にどう当てはめればよいか分からないかもしれません。

そんなときは商品担当や販売担当に話を聞いてみましょう。開発中に変えた仕様や店頭でよく聞かれる質問には、資料に載っていない話が含まれています。この記事では折りたたみ収納箱という架空の商品を例に、聞き取りから企画を3案作り、実施する案を選ぶまでを説明します。

誰に何を知ってもらう企画なのかを説明する

「SNSをやる」「体験イベントを開く」は実施方法の候補です。その企画で何を知ってもらうのか、相手が何を見る・読む・体験するのかまで書くと、商品との関係を説明できます。

例えば収納箱なら、「使っていないときに畳める」と説明するだけでなく、空の箱が棚を占めている場面と、畳んで片づける動作を見せる案が考えられます。参加型にするなら、見に来た人が実際に畳み、戻すところまで体験できるかを考えます。

PR戦略は対象や目的、時間と予算の使い方を決める方針です。その方針に沿って、一回の発信や体験を形にするのがここで扱うPR企画です。認知を広げたいのか、使い方の誤解を減らしたいのかは、企画会議の前にそろえておきましょう。

担当者の仕事に合わせて質問を変える

商品担当には、今の仕様に決まるまでの経緯を聞きます。なぜこの形になったのか、試作で何に困ったのかを尋ねてみてください。採用しなかった案や試作品の写真が残っていれば、開発の話を具体的に紹介できます。

販売担当にはお客さんからよく聞かれることを、サポート担当には使い方で迷われやすい点を聞きましょう。同じ商品でも担当する仕事が違えば集まる情報は変わります。顧客の声を外部に紹介する場合は、発言の内容と掲載の許可を確認してください。

担当者の印象と顧客の発言は分けて記録します。「棚が片づくと喜ばれる」と聞いたら、そう考えた理由や実際の問い合わせを確認しましょう。どこまで事実として公表できるかを確かめてから、紹介する文章を決めます。

企画会議の前に集める材料

商品担当
聞きたいこと
使わないときの形を、なぜ変えたのか
探す資料
試作品、設計の変更履歴、仕様書
販売担当
聞きたいこと
購入前に、置く場所や大きさをどう質問されるか
探す資料
実際の質問メモ、店頭で説明している内容
サポート担当
聞きたいこと
畳み方や組み立て方で、どこに迷われるか
探す資料
問い合わせの分類、説明書の修正履歴

折りたたみ収納箱から3つの企画を考える

組み立てた収納箱と畳んだ収納箱を並べて使い方を確かめる担当者
組み立てた状態と畳んだ状態を見せると、使い方を説明しやすくなります。架空の商品を使ったAI生成イメージです。

例に使う収納箱は、利用者が自分で組み立てられ、使わないときには畳める商品という設定です。収納量が増える、片づけの時間が短くなるといった効果は確認していないものとします。

この商品なら使う場面を写真で紹介したり、組み立てを試してもらったりする企画が考えられます。作り手に開発の経緯を聞く案もあります。それぞれ何を伝えられるのかを次の表で比べてみましょう。

架空の折りたたみ収納箱から考えるPR企画3案

A:使わない箱の置き場所を考える紹介企画
見せる内容・相手の動作
空の箱を置いた棚と、箱を畳んでしまう様子を見せる
準備する材料と未確認事項
同じ条件で撮る写真。実際の寸法と、撮影する場所の許可
B:畳む・戻すを試せる小さな体験企画
見せる内容・相手の動作
参加者が説明を読み、自分で畳んで組み立てる
準備する材料と未確認事項
見本、説明担当、会場。操作上の注意と対応できる人数
C:試作品から形の理由を知る開発紹介
見せる内容・相手の動作
開発担当が、変更した形とその理由を実物で説明する
準備する材料と未確認事項
公開できる試作品・変更記録。担当者が説明できる範囲

伝えたいことと実施条件を確かめて案を選ぶ

「Bが一番楽しそう」で決める前に、会場を押さえられるか、説明する人がいるか、商品を初めて触る人でも試せるかを確認します。反対に、Cの試作品が残っていないなら、開発経緯を実物で見せる案はそのままでは実施できません。

予算と人手が限られ、今回の目的が畳める仕組みを知ってもらうことなら、まずAの撮影に絞る判断もできます。ただし、これは架空の条件での選び方です。購入前に操作への不安を解消したいなら、Bの価値が高くなるかもしれません。

電通PRコンサルティングの公開資料では、情報を伝える視点を企画の初期段階から考える方法が紹介されています。本記事の比較表は、そうした検討を始める際に、社内の材料と実施条件を書き出すための作業例です。同社の独自メソッドを再現した評価表ではありません。

  • この企画を見た人は、商品の何を説明できるようになるか。
  • 見せる内容を、仕様・記録・実物で確かめられるか。
  • 担当者・場所・素材・確認日を、公開予定に合わせて用意できるか。
  • 見た後に、使い方や購入条件を調べる行き先があるか。

出典:広報戦略のフレームワーク「PR IMPAKT」と企画段階での活用(電通PRコンサルティング)

社内で出た案の選び方や見せ方に迷うときは、MdiiiuMの商品PR支援もご利用いただけます。

制作を依頼するための企画書にまとめる

案が選ばれたら、依頼する相手に何を決めてほしいかを書きます。「写真を撮ってほしい」と「撮り方から提案してほしい」では、必要な仕事が違います。企画の意図と、未定の部分を一緒に渡してください。

次の記入例では、A案を選んだと仮定します。撮影の演出で事実以上の効果を見せないよう、並べる物や撮影条件を確認する担当も決めています。日付や費用は、自社で実行できる値を入れます。

企画を依頼するときの記入例(架空)

目的と対象
収納箱を使わない期間の置き場所に困る人へ、畳める仕組みを伝える
見せる内容
箱を使う→空にする→畳む→棚にしまう一連の動作
依頼したい仕事
撮影方法の提案、写真の撮影、紹介ページの構成
こちらで渡す物
商品、仕様書、撮影できる棚、説明担当者
決める必要があること
撮影日、公開日、必要な写真、予算、使用する媒体
確認する人
商品担当が仕様と動作、広報担当が文章と掲載先を確認

撮影前と公開後に伝わり方を確かめる

撮影前に別の部署の人へ見せる

撮影に入る前に、簡単な写真や絵を並べて社内の別部署の人に見てもらいます。「便利そうですか」より、「何ができる商品だと思いましたか」「どこが分かりませんでしたか」と聞くと、伝わっていない部分を直しやすくなります。社内の反応を顧客全体の評価とみなすことはできませんが、説明不足を探す確認には使えます。

公開後の質問を次の企画に生かす

公開後も、見られた数だけで企画の成否を決めないようにします。使い方ページへの遷移、同じ質問の増減、実際の相談内容など、今回の目的に対応する反応を振り返ります。次の企画では、反応がよかった形式だけでなく、どの説明が役に立ったかを残しましょう。

まとめ

企画が思い浮かばないときは、商品担当や販売担当に話を聞くところから始めてみてください。同じ特徴でも写真で見せるか、実際に試してもらうかによって企画は変わります。複数の案を作って必要な素材や人手を比べると、今回実施する企画を選びやすくなります。

よくある質問

新商品ではなく、長く売っている商品でもPR企画は作れますか?
長く販売している商品でも企画は作れます。問い合わせから分かった使い方や、これまで紹介していなかった製造工程などを調べてみましょう。発売済みの商品を新商品と見せず、今回新しく伝えられる事実を明確にしてください。
PR企画を外注する前に、完成した企画書が必要ですか?
完成した企画書は必要ありません。商品資料と目的を共有し、予定時期や予算などの条件を伝えれば相談を始められます。案出しから頼むのか、既存案の見直しや制作を頼むのかを伝えると、見積もりの範囲をそろえやすくなります。
面白い企画なら、テレビやSNSで広がりますか?
企画の面白さだけでは決まりません。相手の関心、公開時期、素材の分かりやすさ、届け方なども関わります。掲載・拡散を前提に予算を組むのではなく、実施で何を伝えられるかと、その後に確かめる反応を決めます。

出典・参考資料

記入例・比較表は、考え方を説明するための編集例です。実際の案件や成果を示すものではありません。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

番組づくりの経験をもとに企業の広報や商品PRの企画を提案しています。商品を紹介する話題の選び方やプレスリリースの書き方についても相談を受けています。

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監修範囲:商品事実の集め方、架空企画3案の実行条件、社内外への依頼メモの妥当性。監修日:

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