
この記事の要点
- 研修ドラマは、手順を暗記するよりも、場面を見て判断を話し合う題材に向きます。
- 現場で起きるやり取りを取材し、専門内容は所管部署の監修を受けて脚本にします。
- 視聴後に問いを置き、実際の行動へつながったかを確かめます。
接客やハラスメント防止の研修で、正しい手順を箇条書きにしても、相手の言葉にどう返すかは想像しにくいことがあります。そんなときに検討できるのが、判断に迷う場面を短いドラマで見せる方法です。
ただし、出演者を用意して物語にすれば学習につながるとは限りません。ここでは研修担当者が題材を選び、脚本を確認し、視聴後の対話につなげるまでを架空の接客例で説明します。一般的な研修動画の制作工程は別の記事にまとめています。
ドラマが必要な学習場面を選ぶ
ドラマに向くのは、相手の受け止め方や判断の分かれ道を見せたいときです。機器の操作順を覚えるなら実演映像の方が直接的です。一方、曖昧な依頼を受けた社員がどこで確認を挟むかは、会話を見せて考えてもらえます。
たとえば架空の店舗で、返品条件を満たさない商品を持ち込んだお客さまがいるとします。「規程に従って断る」とだけ教えるよりも、いつ事実を確認し、何を説明し、責任者へつなぐかを場面で示せます。まず受講者に考えてほしい一点を決めてください。
脚本の前に現場の会話と判断条件を集める

研修担当者だけで「現場ではこう話すはず」と決めると、社員が実際には使わない台詞になりがちです。現場の人へ、最近困ったやり取り、最初に確認した事実、相談した相手を聞きます。個人や顧客を特定できる話は、教材化の前に扱いを確認します。
取材した出来事をそのまま再現する必要はありません。複数のよくある迷いを一つの架空場面へまとめてもよいですが、実際の会社で認められる対応と違っていないかは所管部署が確認します。
正解の台詞より判断が変わる瞬間を書く
架空の返品場面では、社員が断り文句を言う前に購入日を確かめるかどうかで流れが変わります。脚本には「お客さまの発言」「社員が確認する事実」「責任者へ相談する条件」を入れ、話し合う余地を残します。相手を悪役に描いてしまうと、現場の複雑さが見えなくなります。
演技と事実確認の担当を分けて制作する
脚本ができたら、研修内容を所管する人が対応の正確さを確認し、演出担当が自然な会話として成立するかを検討します。出演者、場所、衣装によって費用と準備期間が変わるため、制作を頼む範囲を見積書で確かめます。
既製の教材を利用する方法と、自社の場面を取材して制作する方法も分けて考えます。会社独自の業務手順を教えるなら、自社の確認者が脚本に関われるかが大切です。既存の公開サービスでも、ドラマ教材と個別制作の両方が見られます。
自社の仕事に即した場面を企画したい場合は、MdiiiuMのドラマ・動画企画支援へご相談ください。
視聴後の問いと現場での確認を用意する
映像の最後に「この社員のどの確認が足りなかったか」「自分の職場なら誰へ相談するか」と問いを置きます。受講者に模範台詞を暗記させるより、規程を確認しながら話し合う時間を設ける方が、実務の判断と結び付きます。
公開後は面白かったという感想だけで終えず、受講者が迷った場面や、現場で手順を使えたかを研修担当者が確認します。分かりにくい箇所があれば、動画だけでなく周辺の資料や相談先の案内も直します。
まとめ
研修ドラマは、場面を見て判断を考えるための教材です。現場の会話を取材し、内容の監修者を決め、視聴後に何を話し合うかまで設計すると、映像を研修の中で使いやすくなります。
よくある質問
- 研修ドラマはどんな題材に向きますか?
- 相手とのやり取りや判断の分かれ道を考える題材に向きます。単純な操作手順は実演映像や図の方が分かりやすい場合があります。
- 社員が出演する必要はありますか?
- 必須ではありません。社員出演、俳優、声だけの再現などから、目的と予算、公開範囲に合わせて選びます。
- コンプライアンスの内容は誰が確認しますか?
- 自社の所管部署と必要に応じた専門家が事実や規程を確認します。企画・演出の担当だけで正確性を保証しません。
この記事の監修者

須平 敦宣
株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家
「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。
プロフィールを見る監修範囲:研修ドラマの適用範囲、架空の返品場面、監修と視聴後の対話。監修日:
MdiiiuMのサービス
SNS・動画の企画相談
MdiiiuMでは、社内向けドラマの題材選び、取材、構成・脚本についてご相談いただけます。研修内容の正確性は企業の担当部署と確認しながら進めます。
詳しくはSNS・動画の企画相談のご案内をご覧ください。