
この記事の要点
- プレスリリースの効果は配信画面の閲覧数だけで判断せず、取材、掲載、読者の反応を分けて見ます。
- 掲載件数と記事の中身を区別し、伝えたかった事実がどう紹介されたかを確認します。
- 問い合わせや売上との関係は、追跡できた範囲だけ記録し、次の発表を直す材料にします。
プレスリリースを出すと、配信画面の閲覧数や掲載件数が気になります。ただ、それらが増えたとしても、伝えたかったことが届いたか、次の取材につながったかまでは分かりません。
この記事では一件の発表をどう振り返るかに絞ります。会社全体の広報KPIの決め方とは分け、配信直後から数週間後までに残したい記録を、架空の新商品発表で説明します。
発表前に知ってほしい事実と次の行動を決める
効果測定は配信後に始めるのではありません。架空の新商品なら、「新しい材料を使った理由を知ってほしい」のか「取材で製造工程を見てもらいたい」のかを発表前に決めます。目的が違えば、見るべき反応も変わります。
発売日だけを知らせる発表と、開発背景を深く伝える発表を同じ掲載件数で比べても、企画の良し悪しは分かりません。発表文、送付先、問い合わせ窓口を保存して、後で何が起きたかを追えるようにします。
閲覧・取材・掲載・反応を別々に記録する

配信サービスの閲覧数は発表文が見られた回数で、取材の件数や記事を読んだ人の数ではありません。問い合わせを受けたら、媒体名と質問、対応日を記録します。掲載後は記事の有無だけでなく、どの事実が書かれ、写真やリンクが使われたかを確認します。
以下の表は一件の発表を追うための架空の記入例です。取得できない数字には推測値を入れず、「未計測」と残します。
架空の新商品発表の振り返りシート
- 配信
- 残すもの
- 送付日、送付先、発表文の版
- 次に考えること
- 狙った担当者へ届く内容だったか
- 取材
- 残すもの
- 問い合わせ日、質問、提供した資料
- 次に考えること
- 説明が足りなかった事実は何か
- 掲載
- 残すもの
- 記事URL、見出し、採用された写真・説明
- 次に考えること
- 伝えたかった点とどう違うか
- 反応
- 残すもの
- 判別できた問い合わせ、営業や店頭での質問
- 次に考えること
- 次の発表で補う内容は何か
| 段階 | 残すもの | 次に考えること |
|---|---|---|
| 配信 | 送付日、送付先、発表文の版 | 狙った担当者へ届く内容だったか |
| 取材 | 問い合わせ日、質問、提供した資料 | 説明が足りなかった事実は何か |
| 掲載 | 記事URL、見出し、採用された写真・説明 | 伝えたかった点とどう違うか |
| 反応 | 判別できた問い合わせ、営業や店頭での質問 | 次の発表で補う内容は何か |
掲載件数だけでなく紹介された内容を見る
同じ一件の掲載でも、商品名だけの短い紹介と、開発の理由まで取材された記事では得られた内容が違います。記事に事実誤認がないか、重要な条件が抜けていないかを確認し、必要な場合は媒体へ丁寧に連絡します。
広告換算額だけで価値を決めると、読者が何を理解したかが抜け落ちます。社内報告では、件数とともに記事の主題、掲載されたコメント、次に取材されたテーマを残すと、企画を振り返りやすくなります。
掲載内容は後から確認できる形で残す
掲載先のURLと確認日、見出し、確認できた本文の要点を記録します。ページが更新・削除される可能性があるため、保存や社内共有は媒体の利用条件に従って行います。記事の誤りを相談した経緯も、配信結果とは別に残してください。
配信結果を次の企画へつなげる相談は、MdiiiuMのPR伴走支援で受け付けています。
問い合わせや売上を一件の配信だけの成果にしない
発表後に問い合わせが増えても、広告、営業、季節要因など別の働きかけが重なっているかもしれません。問い合わせフォームで参照元が分かる場合でも、発表文を見た人全員の行動を追えるわけではありません。
分かった範囲で「この記事を見て連絡した」と答えた人を記録し、分からないものは不明とします。数字の大きさを競うより、次の発表でどの説明を改善するかを決めるために使いましょう。
まとめ
プレスリリースの効果測定では、発表した事実、取材された内容、掲載後の反応を順に確認します。取得できない成果を推定で埋めず、問い合わせと記事の中身を次の企画へ戻すことが大切です。
よくある質問
- プレスリリースの閲覧数は何を示しますか?
- 配信サービスなどの画面が閲覧された回数です。取材件数、記事の読者数、購入者数と同じものとして扱いません。
- 掲載がゼロなら失敗ですか?
- 目的と送付先、問い合わせ、発表文の内容を振り返ります。掲載の有無だけでなく、次の発表で変えられる点を確認してください。
- 広告換算額を社内報告に使うべきですか?
- 参考として使う場合もありますが、記事の内容や読者の反応を代わりに示す数字ではありません。計算条件を明記し、別の指標と併せて見ます。
この記事の監修者

須平 敦宣
株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家
「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。
プロフィールを見る監修範囲:一件の配信の振り返り、架空の記録表、因果関係の扱い。監修日:
MdiiiuMのサービス
企画・PRの個別相談・顧問
MdiiiuMでは、発表の狙いと掲載内容を照らし合わせ、次の広報企画や取材資料の直し方をご相談いただけます。配信と取材の記録があれば、判断材料として一緒に確認します。
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