PR・広報戦略

広報KPIの決め方|掲載数の先にある変化を測る記入例

編集:MdiiiuM / 監修:須平 敦宣

公開 / 更新

折れ線グラフを印刷した紙と鉛筆を置いた机

この記事の要点

  • 広報KPIは、事業で変えたいことを決め、そこに至るまでの発信、媒体での扱われ方、読者の反応を順に置くと選びやすくなります。
  • 掲載件数だけで効果を判断せず、伝えたかった内容が記事に含まれたか、問い合わせで何を知って来たかまで記録します。
  • 測れない指標を増やすより、取得元と担当者を決めた少数の指標を同じ条件で見直します。

「今月は何件掲載されたか」は数えられても、それが広報の目的に近づいたのか分からない。広報KPIを考えるときに困るのは、たいていこの部分です。掲載数は大切な記録ですが、媒体が何を伝え、読者が次に何をしたかまでは教えてくれません。

まず、広報の仕事によって誰の理解や行動を変えたいのかを一文で書きます。そのうえで、発信から反応までの各段階に、実際に記録できる指標を一つずつ置きます。この記事では架空の新商品を例に、社内で使う広報KPIの表を作ります。

事業の目的から広報が変えたいことを決める

指標を選ぶ前に、事業側の目的を確認します。例えば新しい業務用の保存容器を発売する会社なら、広報に期待することは「記事を増やす」ではなく、飲食店の仕入れ担当者に洗いやすさを知ってもらい、検討時に商品を候補へ入れてもらうことかもしれません。これが決まると、飲食店の担当者が読む媒体を選び、試用できる資料を用意する理由も明確になります。

事業の売上だけを広報の単独目標にすると、営業、広告、流通、価格変更などの影響を分けられません。売上は事業の最終的な変化として見ながら、広報では「対象者に正しい情報が届いたか」と「検討につながる反応があったか」も追います。

三枚のカードを線でつないだ広報評価のイメージ

発信から問い合わせまでを四段階で記録する

同じ「広報の成果」でも、担当者が直接行った作業と、その後に起きた変化は異なります。会議ではこの違いを一枚の表にしておくと、掲載が少ない月にも原因を考えられます。次の表は実績ではなく、指標の置き方を示す架空の記入例です。

架空の業務用保存容器に関する広報KPIの記入例

発信
記録すること
対象媒体への情報提供と取材用素材の準備状況
確認元と見る理由
送付・素材台帳。実施した作業を確認する
掲載内容
記録すること
対象媒体での掲載と、洗いやすさが説明された記事
確認元と見る理由
記事原文。届けたい内容が伝わったかを見る
読者の反応
記録すること
商品ページへの流入と資料の閲覧
確認元と見る理由
アクセス解析。記事との前後関係は推定として扱う
事業への接点
記録すること
問い合わせ件数と、相談時に挙がった記事・疑問
確認元と見る理由
問い合わせ記録。営業活動の影響も一緒に見る

掲載件数と記事の中身を分けて見る

掲載件数が同じ二つの記事でも、一方は商品名だけ、もう一方は飲食店での使い方まで取材されているかもしれません。件数に加え、誰に読まれる媒体か、主要な事実が正確か、読者が次に調べられる情報があるかを、記事原文で確かめます。広告換算額のような単一の金額へ置き換えると、この違いが見えにくくなります。

読者の反応は取得できる範囲だけ記録する

記事から商品ページへ来た人を計測できる場合は、参照元や専用URLを使います。ただしテレビや紙面を見て後日検索した人は、同じ方法では追えません。問い合わせ時に「どこで知ったか」を自然に尋ね、分かった分だけ記録します。追跡できない行動を推測で埋める必要はありません。

目標値は過去の記録と実施条件から置く

初月から根拠のない「掲載10件」を掲げると、媒体に合わない一斉送付を誘いやすくなります。まず過去の企画で、情報提供した媒体数、取材相談数、掲載数を数えます。記録がなければ最初の期間を基準値の取得期間にし、商品発売、展示会、撮影素材の有無など、その月に使える材料を添えてから次の目標値を決めます。

数値目標は「何を、どの期間、どの方法で数えるか」とセットにします。例えば同じ記事の転載を別件として数えるのか、複数回の問い合わせを一件にするのかが担当者ごとに違うと、前月との比較もできません。計測ルールは短くてもよいので表の欄外に残しておきます。

月次会議では数字を企画の修正に結び付ける

数字が目標に届かなかったときは、まず発信した事実と媒体の関心が合っていたかを見ます。取材の返事が少なければ話題の切り口や送付先を、取材はあるのに記事で商品の違いが伝わらなければ説明資料や実演を見直します。記事は読まれているのに問い合わせがない場合は、商品ページや問い合わせまでの導線に困りごとがないか、営業担当者にも聞きます。

広報だけで原因を決めつけず、次月に変える点を一つか二つ決めます。変更前の資料、発信先、記事原文、問い合わせ内容を残せば、次の企画で同じ仮説を検証できます。

媒体に何を伝え、どの反応を残すか決めきれない場合は、MdiiiuMのPR企画・広報支援で企画と評価項目を一緒に整理できます。

まとめ

広報KPIは、活動量だけの成績表ではありません。事業が望む変化から逆算し、発信した内容、媒体での伝わり方、読者の反応を同じ表で見れば、次に直す企画が見えてきます。最初は取得できる指標を少数選び、計測方法と担当者を決めるところから始めてください。

よくある質問

広報KPIは掲載件数だけでもよいですか?
掲載件数は発信結果の一部として残します。目的が認知や理解なら、対象媒体での扱われ方と、伝えたかった内容が記事に含まれたかも一緒に見ます。
問い合わせが少ないときは広報が失敗したのでしょうか?
問い合わせには商品条件や営業導線も影響します。記事の内容、商品ページの閲覧、相談で聞かれた内容を分けて確認し、広報で直せる箇所を探します。
過去の数字がない会社は目標をどう置けばよいですか?
最初の期間は基準値を取ります。送付、取材相談、掲載内容、問い合わせの数え方を決め、次の期間に比較できる記録を作ります。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。

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監修範囲:全文・指標の区分・記入例・サービス紹介。監修日:

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