PR・広報実務

プレスキットの作り方|取材に渡す資料と写真の確認表

監修 須平 敦宣株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家
編集 MdiiiuM公開 更新
会社資料と写真素材を机に並べたプレスキットのイメージ

この記事の要点

  • プレスキットは、記者が会社や発表内容を確認するための資料と素材をまとめたものです。
  • 会社概要、発表の事実、写真、取材できる人、問い合わせ先に加え、素材の利用条件と更新日を示します。
  • まず一つの発表に必要な資料から作り、誰が内容を確かめて差し替えるかを決めてください。

記者から「会社の概要と写真を送ってください」と言われたとき、資料を探す人によって社名や商品説明が違うと、確認に時間がかかります。プレスキットは、取材や記事作成に使う事実と素材を、一つの窓口から渡せるようにした資料一式です。

立派な冊子から始める必要はありません。記者が確かめたいことと、会社が提供できる素材を分け、最新版と使用条件が分かる形にする方が実用的です。この記事では、架空の食品メーカーの新商品発表を例に、入れる項目、確認先、更新方法を整理します。

プレスキットは「記事に使える情報」をそろえる

営業資料は購入を検討する人へ商品の利点を説明します。一方、プレスキットでは、取材する人が事実を確かめ、必要な写真やコメントを依頼できることが大切です。発表文だけで商品名が分かっても、発売日、対象商品、写真の使用可否、担当者の連絡先が別々の場所にあれば、追加の確認が必要になります。

対象は記者発表会に来る人だけではありません。メールで取材を受ける場合も、会社の基本情報と今回の発表に関する資料をまとめて渡せます。常設する企業情報と、発表のたびに変わる商品情報は別に管理すると、古い価格や終了したキャンペーンを誤って渡すのを防ぎやすくなります。

最初の一式は事実・素材・窓口に分ける

基本情報には、正式な会社名、所在地、事業内容、代表者名、公式サイトを入れます。発表に関する情報は、発売日や提供場所などの確定事項、商品仕様、発表の背景、取材できる担当者を分けて載せます。まだ決まっていない条件は空欄を隠すより「確認中」とし、回答できる人を記録します。

写真には商品そのもの、使用している場面、説明できる人の写真など、発表に必要なものを選びます。画像ごとに内容、撮影者または権利確認先、利用できる媒体と期間、加工やクレジットの条件を添えます。提供前に、写真に写る人や場所の許可も確認してください。素材があることと、どの用途でも使用できることは同じではありません。

記者が追加で確認できる窓口を付ける

代表電話だけでは締切前の質問が担当者に届かないことがあります。広報窓口の連絡方法と、回答可能な時間、技術や商品仕様を確認できる社内担当を整理します。社内の個人連絡先を外部へ渡す場合は本人と運用方法を確認し、公開ページには不要な個人情報を載せないようにします。

架空の新商品で資料台帳を作ってみる

写真素材と使用条件の確認表を並べた机

次は架空の食品メーカーが焼き菓子を発表する場合の記入例です。実在する会社の商品、取材実績、須平さんの案件ではありません。資料を増やす前に、今回の発表で使うものと確認者を一行ずつ決めます。

架空の焼き菓子発表で使うプレスキットの資料台帳

会社概要
記載・添付する内容
正式社名、事業、所在地、公式サイト、更新日
公開前の確認者
総務または会社情報の管理者
商品事実シート
記載・添付する内容
発売日、販売場所、内容量、価格、問い合わせ先
公開前の確認者
商品責任者と販売担当
商品写真
記載・添付する内容
正面写真と使用場面。撮影者、人物・場所の許可、使用条件
公開前の確認者
広報と権利確認の担当者
取材案内
記載・添付する内容
説明できる担当者、撮影できる工程、対応可能な日時
公開前の確認者
現場責任者と広報

渡し方と公開範囲を資料ごとに決める

会社概要や公開済みのロゴは、公式サイトで案内しやすい資料です。一方、未発表商品の写真、試作中の数値、取材相手にだけ見せる工程などは、閲覧できる人と公開時期を決めて個別に渡します。公開用フォルダと限定資料を同じ共有リンクに入れないでください。

ダウンロードできる素材には、ファイル名だけでなく内容が分かる説明を付けます。写真の縮小や切り抜き、広告への転用など、想定する用途が違う場合は個別確認の窓口へ案内します。公開ページに「使用自由」と一括で書く前に、実際の許諾範囲を権利確認の担当者と照合します。

取材で渡す情報と発表の切り口を一緒に整理したい場合は、MdiiiuMのPR企画支援へご相談ください。

発表後も最新版と差し替え先を示す

価格、担当者、商品仕様、販売場所は発表後に変わることがあります。資料の作成日と最終確認日、更新担当を台帳に残し、変更した箇所を確かめてからファイルを差し替えます。以前の資料を渡した相手に訂正が必要な場合は、どの記載をどう直したかを伝えてください。

全部を毎回作り直す必要はありません。会社概要とロゴは共通の版を管理し、今回の発表に固有の事実シートと写真を追加します。取材で繰り返し聞かれた質問は次の版へ反映し、回答を広報だけで確定できない内容は所管部署へ戻します。

まとめ

プレスキットは資料の量より、記者が使える事実と素材が正しく見つかることが大切です。まず一つの発表で使う会社概要、商品事実、写真、窓口を台帳にし、利用条件と更新担当を確認してください。

よくある質問

プレスキットとプレスリリースはどう違いますか?
プレスリリースは今回発表する事実を伝える文書です。プレスキットは、その文書に加え、会社概要、商品仕様、写真、取材窓口など確認と取材に使う資料一式です。
プレスキットはWebサイトで公開すべきですか?
公開済みの会社情報や利用条件を確認した素材は常設しやすい一方、未発表資料や個別取材用の素材は閲覧先と時期を決めて渡します。資料ごとに公開範囲を判断してください。
写真に「自由に使用できます」と書いてもよいですか?
撮影者や写っている人・場所の許可、使用媒体、加工、広告利用などの条件を先に確かめてください。一括して自由利用と書けない場合は、許可済みの用途と確認先を示します。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。

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監修範囲:資料の選び方、写真の利用条件、架空の食品メーカーの台帳、FAQ、相談導線。監修日:

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