PR・広報戦略

面白いPR事例の見方|3つの企画から自社に使える発想を探す

編集:MdiiiuM / 監修:須平 敦宣

公開 / 更新

持ち帰りカップと街の模型、企画カードを並べた机

この記事の要点

  • 面白いPR事例は、仕掛けの珍しさだけでなく、何を体験すると商品の特徴が分かるのかを見ると自社の企画に生かせます。
  • アサヒビールの未来屋台、JR西日本などの街歩きゲーム、KURANDの試飲イベントを、公開されている企画内容の範囲で比べます。
  • 事例の発表から掲載数や売上への効果は推定せず、自社で再現できる場面と測りたい反応を決めます。

「面白いPRをやりたい」と言われると、奇抜な演出や大きな予算の事例を探したくなります。ただ、目立つ部分だけを借りても、商品を知らない人に何が伝わるかは決まりません。事例を見るときは、その体験が商品や場所のどんな特徴を、参加者に確かめさせているかを先に考えます。

ここでは、三社の企画を題材にします。いずれもMdiiiuMの案件ではありません。確認できる企画内容を紹介し、どこに面白さがあると考えたかを説明します。掲載や売上への影響は確認できていないため、成功事例とは呼びません。

商品名と試飲体験をつないだ「未来屋台」

アサヒビールは2025年、福岡で「未来のレモンサワー」を先行体験できる有料試飲イベント「未来屋台」を発表しました。企画には、ヒト型ロボットによる提供、光る巨大缶からの購入、SNSへの投稿が含まれています。商品そのものにはレモンスライスが浮き上がる特徴があり、会場で開封と香りを確かめられる内容です。

目を引くのはロボットや巨大缶ですが、企画として見るなら「未来」という商品名を、買う前の体験に広げた点が参考になります。一方、ロボットだけを別の商品へ持ち込んでも、その商品の何を確かめてほしいのか説明できなければ演出だけが残ります。来場数や販売増加は確認できていません。

街の模型と無記入の企画カードを並べた机

移動そのものを物語にした神戸の街歩き

JR西日本と休日ハックは2025年、JR神戸線沿線と神戸の街を巡る没入型体験ゲームを発表しました。参加者は姿を消した記者の手掛かりを受け取り、オンラインの謎解きから現地の街歩きへ進む企画です。駅や街への移動が、物語を進める行動に変わる設計です。

この企画から学べるのは、場所の説明を長く読むより、参加者自身がそこへ行く理由を作る考え方です。地域や施設を紹介したい会社なら、撮影しやすい景色を先に選ぶより「参加者が次に何を探すか」を考えられます。ただし、物語に立ち入れない人や移動に制約がある人もいるため、企画を検討する際には参加条件と代替の楽しみ方を確認したいところです。集客効果は確認できていません。

オンラインだけの商品を実際に選べる場へ出した試飲会

KURANDは、EC限定の酒を飲み比べられる大型体験イベントを2025年に実施したと報告しています。100種類以上を試せる内容で、来場者は約1,000人だったと同社は説明しています。この人数から販売への効果までは分かりません。

企画の核は、オンラインの商品一覧では選びにくい味の違いを、少量の試飲で確かめられるようにした点です。自社に置き換えるなら、商品の説明が長くなっている場面を探し、体験すれば短時間で分かる違いがあるか考えます。必ず大規模なイベントにする必要はなく、取材時の実演や小さな比較体験でも同じ問いを試せます。

事例をまねる前に自社の「見せる違い」を書く

三つの企画は、商品の未来感を会場へ広げる、移動を物語にする、味の違いを試せるようにするという別々の方法を取っています。共通するのは、参加者が行動すると、その商品や場所の特徴を自分で確かめられることです。面白さを議論する前に、自社でも同じような「確かめられる違い」があるか探します。

事例から自社企画へ置き換えるためのメモ

商品の違い
説明するより見せたほうが分かる点は何か
相手の行動
誰が、どこで、何をすればその違いを確かめられるか
取材できる場面
説明できる人と、撮影を許可できる場所はあるか
評価方法
参加、理解、問い合わせを何で確認できるか

参加者の行動を一枚の企画メモにする

一枚の企画メモに、届けたい相手、確かめてほしい事実、そのための行動、撮影・記録できる場面、実施できない条件を書いてみましょう。例えば食器の耐久性を伝えたいなら、巨大な装置を作る前に、繰り返し使った状態を比較できる展示と、その条件を説明できる担当者がいるかを確かめます。実際に行っていない試験を効果の証拠にしてはいけません。

商品の魅力が企画や映像の場面に変わらないときは、MdiiiuMのPR・コンテンツ企画で見せ方から一緒に考えられます。

まとめ

面白いPR事例から借りたいのは、ロボットやゲームといった表面の形より、相手が動くと商品の特徴を理解できる仕組みです。自社で確かめられる事実と実施条件を書き出し、その違いが伝わる体験を小さく試すところから企画を始めてください。

よくある質問

面白いPRには大きなイベント予算が必要ですか?
大規模な会場や装置は必須ではありません。商品や仕事の違いを相手が確かめられる場面があれば、取材時の実演や短い映像から企画できます。
他社の企画を参考にするとき、何を見ればよいですか?
誰に、何を体験してもらい、その結果としてどの特徴を理解してほしいのかを見ます。確認できない成果を事例から推定しないようにします。
話題になったかどうかはどう測りますか?
掲載数だけでなく、媒体で何が伝わったか、参加者が何を覚えたか、問い合わせにつながったかを別々に記録します。事例紹介の発表文だけで効果を判断しないでください。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。

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監修範囲:全文・他社発表と編集部の解釈の区別・自社への応用・サービス紹介。監修日:

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