
この記事の要点
- 放送作家は、番組の企画や見せる順番、台本などを考える仕事です。担当する工程は人や番組によって異なります。
- 構成作家も重なる仕事を担い、同じ意味で呼ばれることがあります。依頼するときは具体的な作業と成果物を確かめます。
- 企業の動画や社員インタビューでも、題材の選び方、質問、構成、台本について相談できます。撮影・編集の担当は別途確認が必要です。
テレビの最後に流れるスタッフ名で「構成」という表記を見ても、どんな仕事なのかは想像しにくいかもしれません。放送作家は、番組で何を取り上げ、どの順番で見せ、出演者がどんな話をするかを考える仕事です。企画会議で案を出す人もいれば、台本を書く人や複数の工程に関わる人もいます。
企業の担当者にとっては、「商品の説明を動画にしたいけれど、何から話せばよいか分からない」ときの相談相手にもなります。この記事では、放送作家の仕事を説明したうえで、一つの商品情報が企画と台本になるまでを架空の例で紹介します。
放送作家は番組の企画・構成・台本を考える仕事
放送作家の仕事には、企画の案出し、番組全体やコーナーの構成、台本の作成などがあります。東放学園の職業紹介でも、プロデューサーやディレクターと相談しながら番組の流れやセリフ、ナレーションを考える仕事として説明されています。
番組には多くの制作担当者が関わります。一人の作家が最初から最後まで受け持つ場合もあれば、企画会議への参加など一部を担当する場合もあるため、仕事内容は担当する番組や契約に応じて変わります。
出典:東放学園:放送作家の仕事 / TCA:構成作家のお仕事内容
題材から視聴者が知りたくなる問いを考える
たとえば「地域の工場を紹介する」という題材があっても、それだけでは番組の内容は決まりません。初めて見る機械の動きを見せるのか、身近な製品ができるまでを追うのか、働く人の工夫を聞くのか。どこに注目してもらうかを考え、企画の案にします。
案を具体化するには、現地で何が撮れるか、誰の話を聞けるかといった材料も必要です。資料や事前の聞き取りをもとに、制作担当者と実現できる内容を検討します。
見せる順番を組み、台本で共有する
企画が決まったら、冒頭で何を見せ、途中でどんな疑問に答え、最後にどう締めるかを組み立てます。工場の例なら、完成品を先に見せてから製造工程へ戻る方法も、材料が製品になる順番を追う方法も考えられます。
台本には進行や説明、質問、映像を入れる箇所などを書き、出演者や制作担当者と共有します。どこまで詳しく書くかは内容によります。インタビューなら質問と聞きたい点を用意し、実際の答えを聞いて構成を調整する方法もあります。
商品情報が企画と台本になるまで

ここからは、作家が考える作業を具体的に見るための架空例です。実案件や須平の制作実績ではありません。題材を、ふたの部品を外して洗える保温ボトルとします。企業の担当者は「機能を全部説明する動画にしたい」と考えています。
企画では見る人の疑問を一つ選ぶ
保温性能、容量、色、持ち歩きやすさを順に説明する案もあります。ただ、購入を迷っている人が手入れの手間を気にしているなら、「毎日どこまで洗う必要があるのか」を見せる動画が考えられます。これが今回の企画案です。
実際の企画では、問い合わせや販売担当者への聞き取りなどで、その疑問があるかを確かめます。思いついた悩みをそのまま顧客の声として紹介しないことも大切です。
構成では疑問に答える場面を並べる
今回は、ふたの部品が分からず戸惑う場面から始め、外す部品、洗う箇所、組み直す手順の順で見せます。最後に詳しい手入れ方法の案内を置けば、動画を見た人が次に確かめる場所も分かります。
この段階で製品担当者に確認し、取扱説明書と合う手順に直します。分解できない部品を外す演出や、根拠のない「簡単」「すぐに洗える」といった説明を足すと、商品の使い方を誤って伝えてしまいます。
台本では画面と話す内容を対応させる
台本にするときは、見る場面と聞く言葉を並べます。以下は書き方を示す短い例で、特定の商品に使える操作説明ではありません。実際には部品名や手順を製品担当者と確認し、話す長さと映像の長さも合わせます。
架空の保温ボトルで考える台本の記入例
- 導入
- 画面に見せること
- ボトル本体とふたを並べる
- 話す内容・確認すること
- 「このボトルは、どこを外して洗うのでしょうか」。今回答える疑問を伝える。
- 部品の説明
- 画面に見せること
- 取り外せる部品を一つずつ見せる
- 話す内容・確認すること
- 説明担当者に部品名と外し方を説明してもらう。名称と操作は事前に確認する。
- 手入れと組み直し
- 画面に見せること
- 洗う箇所と、元へ戻す順番を見せる
- 話す内容・確認すること
- 取扱説明書で確認した注意点を必要な場面で伝える。重要な操作は省略しない。
- 案内
- 画面に見せること
- 商品の手入れ方法を確認できるページを示す
- 話す内容・確認すること
- 「詳しい手入れ方法はこちらで確認できます」。案内先のURLを制作前に確定する。
| 場面 | 画面に見せること | 話す内容・確認すること |
|---|---|---|
| 導入 | ボトル本体とふたを並べる | 「このボトルは、どこを外して洗うのでしょうか」。今回答える疑問を伝える。 |
| 部品の説明 | 取り外せる部品を一つずつ見せる | 説明担当者に部品名と外し方を説明してもらう。名称と操作は事前に確認する。 |
| 手入れと組み直し | 洗う箇所と、元へ戻す順番を見せる | 取扱説明書で確認した注意点を必要な場面で伝える。重要な操作は省略しない。 |
| 案内 | 商品の手入れ方法を確認できるページを示す | 「詳しい手入れ方法はこちらで確認できます」。案内先のURLを制作前に確定する。 |
企業の動画や社内広報でも相談できる
放送作家の活動はテレビやラジオに限りません。日本放送作家協会は、活動例として企業のコンサルティングやネット動画の企画・構成・演出も紹介しています。作家によって得意分野は異なるため、相談内容に合う経験があるかを確認することが前提です。
企業での使い方としては、商品説明の話題を絞る、開発担当者への質問を考える、社員インタビューの順番を組む、といった相談が考えられます。以下は本記事からの提案です。
社員インタビューなら仕事の場面を聞く質問を用意する
「仕事のやりがいを教えてください」だけでは、どんな仕事をしているのかが見えてこないことがあります。たとえば「最近、お客さまからどんな相談を受けましたか」「そのとき誰に相談して、どう対応しましたか」と聞くと、具体的な出来事を話してもらえます。
構成を考える段階で、話の背景が分かる画面や、別の部署にも聞きたいことを整理できます。回答を先に作って読んでもらうより、本人への聞き取りから紹介する内容を選ぶ方法が合う場合もあります。社外へ出せる話かどうかは別途確認します。
依頼するときは担当する工程を確かめる
最初の相談では、今どこで困っているのかを伝えましょう。「企画が決まらない」「内容はあるが順番が決まらない」「社員への質問を考えたい」では、必要な支援が変わります。完成した依頼書がなくても、現在の案や資料から話を始められます。
受け取る資料と撮影・編集の担当を決める
企画案の提案、構成案の作成、台本の執筆、会議への参加のうち、どこまで頼むかを相談します。台本を依頼する場合も、質問項目だけなのか、画面とセリフを対応させた資料まで必要なのかを確かめてください。修正する回数や確認日程も見積もりの条件になります。
撮影や編集を社内で行うのか、制作会社に依頼するのかも共有します。台本だけ先に完成させても、撮れない場面が含まれていれば直す必要があります。撮影場所や使える素材が分かる段階で、制作担当者を交えて確認しましょう。
今回の内容に近い経験と手元の資料を確かめる
依頼先を選ぶときは、担当作品に加えて、本人がそこで何を受け持ったかを聞くと判断しやすくなります。商品説明を頼むなら説明動画、社員の話を引き出したいならインタビューなど、今回必要な作業との関係を確かめます。
相談時には、誰に見てもらうか、どこで使うか、希望する日程、予算の目安を伝えます。商品資料、過去の動画、すでにある企画案も参考になります。未定の項目は未定と伝え、一緒に決めたい点を添えてください。
企画や構成の段階から相談したい方は、MdiiiuMの動画企画・台本の支援をご覧ください。現在の案と制作体制を伺い、担当する範囲をご提案します。
まとめ
放送作家の仕事を知るには、企画で題材を選び、構成で順番を組み、台本で具体的な内容を共有する作業を思い浮かべると分かりやすくなります。企業から相談するときも、今どの作業で困っているかを伝えてみてください。担当してもらう工程と、受け取る資料を確かめるところから依頼を具体化できます。
よくある質問
- 放送作家と構成作家は同じ仕事ですか?
- 企画・構成・台本など重なる仕事があり、同じ意味で使われることもあります。呼称だけでは担当範囲が分からないため、依頼時は具体的な作業と成果物を確認します。
- 番組の会話はすべて放送作家が書いているのですか?
- 内容によって異なります。進行やナレーションを細かく書く場合も、質問や話題を用意して出演者の言葉で話してもらう場合もあります。台本があることだけから、すべての発言が決まっているとは判断できません。
- 企業のYouTube動画や社内向け動画も相談できますか?
- ネット動画などを手がける作家には相談できる場合があります。今回の目的と視聴者を伝え、その分野の経験や担当範囲を確認してください。MdiiiuMでは動画の企画・構成・台本について相談を受け付けています。
- 台本を依頼すると撮影や編集も含まれますか?
- 含まれるかどうかは依頼内容によります。企画・構成・台本と、撮影・編集・出演者の手配などの担当を分けて確認し、見積もりの範囲をそろえてください。
- 放送作家に依頼する費用は何で変わりますか?
- 会議への参加、資料の調査、聞き取り、構成案や台本の作成など、必要な作業によって変わります。修正の範囲や日程も含めて依頼内容を共有し、個別の見積もりで確認します。
出典・参考資料
記入例・比較表は、考え方を説明するための編集例です。実際の案件や成果を示すものではありません。
この記事の監修者

須平 敦宣
株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家
「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。
プロフィールを見る監修範囲:職種の呼称、仕事の分担、架空の台本例、FAQと企業からの相談範囲。監修日:
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MdiiiuMでは、動画で伝えたいことや見る人を伺い、企画・構成・台本をご提案します。商品の説明や社員へのインタビューなど、現在考えている内容をお聞かせください。手元の企画案や参考動画をもとにした相談も承ります。撮影・編集を含む制作体制を確認したうえで、支援する範囲を決めます。
詳しくはSNS・動画の企画相談のご案内をご覧ください。