社内広報・企画

社内広報の面白い企画はどう作る?社員の話を引き出す質問と企画例

編集:MdiiiuM / 監修:須平 敦宣

公開 / 更新

社内報の誌面と取材用の録音機を並べた編集机。AI生成イメージ
社内広報の編集作業を表すAI生成イメージ

この記事の要点

  • 社内広報の企画は、社員が他部署や仕事について知りたいことから考えます。
  • 取材では印象を広く聞くより、具体的な出来事と、そのときの判断を順に聞きます。
  • 記事・動画・ドラマは、伝える内容と社員が見られる環境に合わせて選びます。

社員紹介、イベントの報告、社長のメッセージ。毎号の企画が似てきて、「もう少し面白い社内報にしたい」と悩むことがあります。新しいコーナー名を考える前に、社員同士でまだ知られていない仕事や、繰り返し聞かれる質問を探してみましょう。

例えば「隣の部署は、いつも何の確認に時間をかけているのだろう」という疑問は、仕事の裏側を紹介する企画になります。この記事では、社内広報を担当する方に向けて、題材の探し方から取材質問、記事や動画の選び方までを説明します。掲載する企画シートは考え方を示す架空例です。

社員が他部署について知りたいことを拾う

まずは「誰が、何を知らずに困っているか」を聞きます。「会社をもっと好きになってほしい」だけでは企画を選べませんが、「新しく入った社員が、困ったときにどの部署へ相談すればよいか分からない」なら、紹介する相手と内容が見えてきます。

営業、総務、現場の責任者など、社員から質問を受ける人に最近のやり取りを聞いてみてください。「この書類は誰に渡すのか」「依頼する前に何をそろえるのか」といった身近な疑問が候補になります。採用候補者へ伝える情報と、社員が仕事で使う情報は分けて考えます。

題材を選ぶときは、その部署をよく知らない社員に仮の見出しを見せ、何を知りたいと思うかを聞く方法もあります。「部署紹介」より「依頼メールにこの情報があると助かる」とした方が内容を想像できるなら、聞くこともその疑問に合わせて絞れます。

日々の仕事から企画を三つ考えてみる

社員紹介や制度の案内は、聞き方を変えながら続けられる題材です。お名前.comビジネスの社内報解説でも、部署紹介や社員の声を拾う方法が取り上げられています。以下は、自社で取材する際の入口を具体化した編集案です。

出典:お名前.comビジネス:社内報のネタをテーマごとに紹介

「その依頼のあとに何が起きるか」を追う

ある部署に書類を渡してから、返事が来るまでに何をしているのかを紹介します。受け取る、内容を確認する、別の担当者へ照会する、回答するという流れを聞くと、外からは見えにくい作業を伝えられます。最後に、依頼する側が準備しておくと助かる情報を添えましょう。

誰かの対応の遅さを話題にする企画にせず、確認が必要な理由や、行き違いを減らす工夫を聞きます。実際のメールをそのまま載せず、説明に必要な項目だけを編集例にする方法もあります。

新しく入った社員が迷った言葉を集める

社内では当たり前に使っている略語や会議名も、入社直後の人には分からないことがあります。「最初に意味を聞いた言葉は何ですか」「どの説明があれば助かりましたか」と聞き、言葉の意味と使う場面を紹介します。

新入社員だけに答えを求めず、配属先で説明する立場の人にも確認します。覚えるべき言葉の一覧にするより、一つの仕事の中でどう使われるかを示すと、読む人が実際の場面と結び付けられます。

結果が出る前に迷った選択を聞く

完成した商品や表彰された仕事を紹介するときは、結果だけでなく途中の判断も聞いてみましょう。「ほかにどんな案がありましたか」「今の方法を選ぶ前に何を確かめましたか」と聞くと、その人の仕事の考え方を伝える材料になります。

失敗談を面白くするために、本人が話したくないことまで引き出す必要はありません。話せる範囲を確認し、個人の評価や責任追及につながる内容を掲載してよいかは、取材時と原稿確認時に確かめます。

取材前に質問と記事の終わり方を決める

「仕事のやりがいを教えてください」から始めると、話が広がって記事の中心が決まらないことがあります。まず一つの出来事を選び、何が起きたか、その人は何をしたか、読む人には何が役立つかを順に聞いてみましょう。

次の表は、社内から総務へ備品を依頼する流れを紹介する架空の企画です。問い合わせの行き違いが実際にあるかは、取材前に確認する想定です。自社の制度や担当者に合わせて項目を変えてください。

「備品の依頼が届いてから」を取材する企画シート:架空例

読んでほしい人
備品を初めて依頼する社員と、依頼を取りまとめる各部署の担当者。
確かめたい疑問
依頼を送ったあと、届くまでに誰が何を確認しているのか。
最初の質問
最近受けた依頼を一つ例に、届いてから手配までの流れを教えてください。
具体化する質問
どの情報が足りずに聞き直しましたか。依頼時に何が書いてあると判断できますか。
用意してもらうもの
公開してよい申請項目の見本、手順の説明資料、撮影可能な道具。実在する申請者の情報は使わない。
記事の終わり方
依頼前にそろえる情報と、正式な手順・窓口の案内を添える。
確認する人
取材相手が発言の意味を確認し、制度の担当者が現行の手順と案内先を確認する。

抽象的な答えが返ってきたら場面に戻る

「部署間の連携が大切です」という答えなら、「最近、別の部署に助けてもらったのはどんなときですか」と続けます。どの情報を誰から受け取ったかまで分かれば、連携という言葉を具体的な出来事で説明できます。用意した質問を全部聞くより、記事の疑問に答えられる材料が集まったかを確かめましょう。

記事・動画・ドラマを伝える内容で選ぶ

記事用の冊子、取材用の録音機、撮影用のカメラを並べた机
伝えたい内容に合わせて記事や動画を選ぶイメージ。人物を使わずに制作したAI生成画像です。

見返したい手順は文章と写真、道具の使い方は動画というように、説明したいものから形式を選びます。デスクで音を出せない、勤務中にスマートフォンを使えないといった閲覧環境も先に確認してください。映像を作る場合も、要点や問い合わせ先は文章で読めるようにしておくと参照しやすくなります。

社内向けの内容と形式を選ぶ編集案

申請や依頼の手順
形式の候補
記事と写真、手順図
制作前に確認すること
現行のルール、更新する担当者、正式な案内先。
作業の動きや場所の様子
形式の候補
短い実演・密着動画
制作前に確認すること
撮影できる範囲、見せてよい資料、視聴時に音を出せるか。
同じ出来事で立場によって違う受け止め方
形式の候補
対談、インタビュー、再現ドラマ
制作前に確認すること
誰の視点を描くか、実話と脚色をどう区別するか、内容を確認する人。

ドラマにするなら視聴後に話してほしいことを決める

例えば、急ぎの依頼を送る側と受ける側の事情を一つずつ描き、最後に「依頼するときに何を伝えればよかったか」を考えてもらう構成が候補になります。人物の失敗を笑う話にすると、仕事の改善について話したかった目的から離れてしまいます。

実話を使う場合は登場人物や掲載範囲を確認し、架空の話なら再現した実話と誤解されないよう示します。制度や研修を扱う内容では担当部門に台本を確認してもらい、視聴後の説明も用意します。短い対談で十分伝わるなら、その案と制作の負担を比べて決めましょう。

取材と確認を毎回回せるように担当を決める

企画を選んだら、依頼、取材、原稿作成、確認、配信を誰が行うか決めます。ソフィアの社内報解説でも、発行頻度と制作体制を併せて検討する手順が示されています。最初は一つの企画を試し、取材時間だけでなく確認を待った日数も記録して、次回の予定を立てましょう。

取材の依頼では、企画の目的、聞きたいこと、必要な写真や資料、掲載する場所を伝えます。録音や撮影をする場合も事前に知らせます。確認者が複数いるなら、それぞれが何を見るかと、修正意見をまとめる担当者を決めておきます。

出典:ソフィア:社内報の目的と作り方

原稿では発言の意味と情報の新しさを確認する

取材相手には、発言の意味を変えていないか、載せたくない情報が残っていないかを確認してもらいます。手順や制度を紹介する場合は、その説明を管理する担当者にも確認を依頼します。読みやすくする編集と、事実を確かめる確認を分けて進めると、修正理由が伝わりやすくなります。

企画や質問の設計で止まっているなら、その部分を外部に相談する方法もあります。社内で題材と取材相手を集め、外部と構成を考えるなど、どこを依頼するかを分けて相談できます。社内報全体の運用や配信まで必要かは、別途確認しましょう。

社員向けの動画や継続企画の組み立てに迷うときは、MdiiiuMの企画・構成の相談をご覧ください。現在の題材と制作体制を伺い、お手伝いできる範囲をご提案します。

配信後に聞かれたことを次の取材につなげる

読者に感想を聞くなら、「面白かったですか」に加えて、「初めて知ったことは何ですか」「まだ分からないことはありますか」と聞いてみてください。備品の依頼の例なら、窓口は分かったが急ぎの場合の相談方法が分からない、といった次の題材が見つかるかもしれません。

閲覧数を取れる場合は、配信した人数や場所、案内の仕方も併せて残します。読まれなかった理由が見出しなのか、社員が普段使わない場所に掲載したためなのかでは、直す箇所が違います。感想が少ないことだけで企画に価値がなかったと決めず、読者に届く経路も確かめましょう。

取材相手の候補、残った疑問、次回に必要な資料を一つのメモへまとめておくと、次の担当者も続けられます。毎号まったく違う企画を探すより、質問を変えながら一つの部署や仕事を追う方法もあります。

まとめ

社内広報の企画は、社員が知りたい仕事や疑問を具体的にするところから始められます。一つの出来事を取材し、読む人が何を知れば役立つかを考えて記事や動画にまとめましょう。担当と確認方法を決め、配信後に残った質問を次回へ引き継ぐことで、継続できる企画を育てていけます。

よくある質問

社内広報と社内報は同じものですか?
社内広報は社員に情報を伝え、意見を受け取る活動を広く指します。社内報はそのために使う媒体の一つです。この記事の質問や企画の考え方は、社内報の記事だけでなく、社内サイトや社員向け動画にも使えます。
社員紹介が毎回同じ内容になってしまいます。
プロフィールの項目に加え、その人が最近判断した仕事や、他部署から受けた質問を一つ聞いてみましょう。全員に違う質問を用意しなくても、具体的な出来事を聞けば、その人が担当する仕事の違いを紹介できます。
顔出しをしたくない社員にも取材できますか?
氏名や写真の掲載範囲を相談し、文章だけの紹介、道具や作業場所の写真などを検討できます。匿名でも内容から本人が分かる場合があるため、原稿を見てもらって掲載の可否を確かめます。出演を前提に企画を決めないようにしましょう。
社内向けのドラマはどんな題材に向いていますか?
やり取りのすれ違いや、立場によって見え方が変わる場面を扱う候補になります。見た後に何を話し合うかまで考えて選びます。事実や手順の確認が目的なら、文章や実演動画で十分かも比較してください。
一人で担当している場合は何から始めればよいですか?
一つの疑問と一人の取材相手に絞り、確認者と配信場所を決めて試す方法があります。企画数や発行頻度を先に増やさず、最初の一本にかかった作業時間と確認日数から、続けられる範囲を考えましょう。

出典・参考資料

記入例・比較表は、考え方を説明するための編集例です。実際の案件や成果を示すものではありません。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。

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監修範囲:取材質問、社内向け企画、動画・ドラマの選び方、FAQとサービス案内。監修日:

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