動画の企画・構成

インタビュー動画の構成の作り方|質問例と3分の構成表を紹介

編集:MdiiiuM / 監修:須平 敦宣

公開 / 更新

2脚の空の椅子と三脚に載せたカメラを配置したインタビュー撮影のセット
2脚の空の椅子と三脚に載せたカメラを配置したインタビュー撮影のセット(AI生成イメージ)

この記事の要点

  • インタビュー動画の構成は、撮影前に視聴者が知りたい順番を決め、その順番に沿って答えが集まる質問票を作ることから始めます。
  • 「やりがい」などの感想に加えて、そう感じた出来事や判断の理由を聞くと、具体的な話を集められます。話を補う映像も撮影リストに入れておきます。
  • 編集では発言の条件を切らずに並べ替え、仮編集の段階で話し手に事実と公開範囲を確認してもらいます。

インタビュー動画の構成は、視聴者が知りたいことを整理し、答えを見せる順番を決めるところから始まります。撮影前にこの順番を考えておくと、必要な質問や補足映像を用意でき、編集も進めやすくなります。

顧客の導入事例、社員の採用インタビュー、代表のメッセージでは、見る人が知りたいことも違います。この記事では、動画の種類に応じた構成の考え方と質問例を解説し、架空の導入事例を使った3分の構成表を紹介します。

インタビュー動画は視聴者が知りたい順に構成する

構成を考える前に、誰がどんな場面で動画を見て、見終えたときに何を判断できればよいかを決めます。話し手が話しやすい順番と、初めて見る人が理解しやすい順番は必ずしも同じではないためです。

例えば導入事例動画を商談で見せる場合、見る人は導入を検討している企業の担当者です。その人は自社と同じ悩みを持つ会社が使ったのか、導入にどれくらい手間がかかったのかを確かめたいはずなので、動画も導入前の課題、選んだ理由、導入時の作業、その後の変化という順に進むと理解しやすくなります。

採用インタビューや代表インタビューでも考え方は同じですが、視聴者が知りたいことは動画の種類によって異なります。次の表は、企業がよく企画する3種類のインタビュー動画について、主な視聴者と答える順番の例を編集部で整理したものです。

表の順番は一例です。自社の動画で使う場合は、営業や採用の担当者に商談や面接でよく聞かれる質問を挙げてもらい、その中から動画で答えるものを選ぶと視聴者の疑問に近い構成になります。社内で伝えたい話題があっても視聴者の疑問とつながらないものは、動画から外すか別の動画に回すと全体の流れを保てます。

なお、この記事が扱うのは企業が自社で企画し、自社の媒体や商談で使うインタビュー動画です。テレビや新聞などのメディアから取材を受ける場合は、質問の内容や放送する部分を決めるのが媒体側になるため、準備の仕方も変わります。

インタビュー動画の種類別に見た視聴者と答える順番の例

顧客の導入事例
主な視聴者
導入を検討している企業の担当者
視聴者が知りたいこと
自社と似た課題があったか、導入で何が変わったか、導入時にどんな作業が必要だったか
答える順番の例
導入前の課題→選んだ理由→導入時の作業→導入後の変化
採用インタビュー
主な視聴者
応募を考えている人
視聴者が知りたいこと
入社後にどんな仕事をするか、誰と働くか、入社前の想像と違った点は何か
答える順番の例
担当している仕事→一緒に働く人→苦労したことと身に付いたこと→応募を考えている人に伝えたいこと
代表インタビュー
主な視聴者
取引先や求職者、会社を初めて知る人
視聴者が知りたいこと
会社が何をしていて、なぜその事業を続けているのか、今後どこへ向かうのか
答える順番の例
事業内容→事業を始めた背景→現在の取り組み→今後の方針

質問票は出来事と判断の理由を聞ける形にする

構成の順番が決まったら、各場面に必要な話を聞くための質問票を作ります。撮影中は質問票を確かめながら、まだ聞けていない話や、もう少し詳しく尋ねたい点を確認します。

使いにくい答えが返ってくるときは、質問が抽象的になっていることがよくあります。「やりがいは何ですか」と聞かれた話し手は、お客様に喜んでもらえることのような一般的な答えを返しやすく、映像にしても視聴者には具体的な姿が伝わりません。視聴者が知りたいのは、その人がいつどんな出来事に出会い、そのとき何を考えて行動したかです。

抽象的な質問を具体的な出来事の質問に言い換える

質問を具体的にするには、感想を直接聞く代わりに、感想のもとになった出来事を聞きます。やりがいであれば、誰のどんな反応を見たときにそう感じたのかを聞くと、話し手は場面を思い出しながら話すため、言葉にも具体性が出ます。次の質問例は、本記事で用意した言い換えの例です。

言い換えた質問には、「そのとき具体的に何をしましたか」「そう判断した理由は何ですか」のような深掘りの質問を1つか2つ添えておくと、撮影中に話が短く終わったときにも続きを聞けます。回答に数字が出てきた場合は、いつの時点の値か、どのように数えたかもその場で確認しておくと編集時に困りません。

  • 「仕事のやりがいは何ですか」→「最近、仕事で手応えを感じたのは、誰のどんな反応を見たときですか」
  • 「導入して良かったことは何ですか」→「導入前と比べて、毎日の作業で減った手間や増えた作業はありますか」
  • 「なぜこの製品を選んだのですか」→「ほかにどんな方法を比べ、最後は何を基準に決めましたか」
  • 「会社の強みは何ですか」→「お客様から依頼を受けるとき、他社との違いとしてよく挙げられるのはどんな点ですか」
  • 「今後の目標は何ですか」→「来年までに取り組む予定の仕事を一つ挙げると何ですか」

事前取材で話の材料と話せないことを確かめる

撮影の前に話し手と短い打ち合わせの時間を取り、質問票の内容を一緒に確認しておくと、本番の話がまとまりやすくなります。この事前取材では、どの出来事を話してもらうかの候補を出し合うとともに、取引先の名前や社内の数字など、動画では話せない内容を確かめます。

Adobeの自社制作に関する解説では、導入事例インタビューの目的や用途、進め方を企画書にまとめ、事前の打ち合わせを踏まえて質問票を作る手順が紹介されています。取材では苦労した点や良くなった点を具体的に聞くことにも触れています。

自然な受け答えを撮りたい場合は、回答を丸暗記してもらう必要はありません。質問票と話題の候補を事前に共有し、撮影では本人の言葉で話してもらいましょう。製品名や数値など正確さが必要な箇所は、手元のメモで確認できるようにしておきます。

出典:Adobe:導入事例インタビューの進め方

3分の導入事例動画を構成表にする

ここからは架空の例を使い、質問票と撮影内容を一つの構成表にまとめる方法を説明します。以下は、架空の食品卸売会社A社が在庫管理システムを導入した事例を、商談で見せる3分の動画にする想定で作った構成表です。登場する会社、システム、質問はすべて説明のための例で、実在の事例や発言ではありません。

構成表には時間、場面、聞く項目、補足映像の4列を用意します。撮影前には話し手の回答がまだ存在しないので、表には答えを書かず、その時間帯で使う話を引き出すための質問を書きます。

表では、冒頭の15秒に、導入後に何が変わったかという回答の一部を置いています。商談で動画を見る人はまず要点を知りたいと考えるので、変化を先に示し、そのあと導入前の課題から順に説明すると、最後まで目的を持って見てもらいやすくなります。

最も長い時間を取っているのは、40秒から130秒までの選んだ理由と導入時の作業の場面です。検討中の企業が自社でも導入できるかを判断するには、良くなった点に加えて、導入にかかった作業や社内の調整を知る必要があるからです。130秒からの場面で残る課題を聞いているのも、視聴者が導入後の状況を現実的に想像できるようにするためです。

構成表の秒数は撮影前の目安で、実際の回答の長さに合わせて編集時に調整します。それでも撮影前に秒数を決めておくと、1つの場面に使える話の量が分かり、同じ話題を長く聞きすぎることを防げます。構成表は動画の企画書と一緒に社内で共有し、出演する顧客企業にも事前に見せておくと、当日に聞かれる内容を相手が準備できます。

架空の例:A社の在庫管理システム導入事例(3分)の構成表

0〜15秒
場面
冒頭
聞く項目
「導入後、毎日の作業で一番変わったことは何ですか」への回答の一部
補足映像
倉庫の棚、社名と話し手の名前・役職の字幕
15〜40秒
場面
導入前の課題
聞く項目
「導入前は在庫の数をどのように数えていましたか」「数え間違いで困った場面はありましたか」
補足映像
紙の在庫表、手書きで記録を付ける手元
40〜85秒
場面
選んだ理由
聞く項目
「ほかにどんな方法を比べ、最後は何を基準に決めましたか」「社内で心配の声はありましたか」
補足映像
比較に使った資料(社外秘の部分を除く)
85〜130秒
場面
導入時の作業と変化
聞く項目
「使い始めの1か月でどんな作業が必要でしたか」「入荷から出荷までの流れはどう変わりましたか」
補足映像
ハンディ端末でバーコードを読み取る手元、説明用データを表示した管理画面
130〜160秒
場面
残る課題と今後
聞く項目
「まだ手作業で行っている部分はありますか」「次に取り組みたいことは何ですか」
補足映像
倉庫の全景、出荷準備の様子
160〜180秒
場面
締め
聞く項目
「同じ悩みを持つ会社に伝えたいことは何ですか」
補足映像
製品名と問い合わせ先を示す画面

話の内容を補う映像も撮影リストに入れる

机に並べたピンマイク、録音機、質問用のカードとカメラのレンズ
机に並べたピンマイク、録音機、質問用のカードとカメラのレンズ(AI生成イメージ)

インタビュー動画で話している人の顔だけを長く映すと、視聴者は話の内容を頭の中で想像しながら見ることになります。そこで、話題に出てくる場所や物、作業の様子を撮った補足映像を、話の途中に重ねて使います。制作の現場ではこうした映像をBロールと呼び、インタビュー本体の映像とは分けて撮影リストに入れます。

撮影リストは構成表の補足映像の列をもとに作ります。A社の例であれば、紙の在庫表、ハンディ端末でバーコードを読み取る手元、倉庫の棚の全景などが候補になり、それぞれ撮る場所、撮る時間帯、立ち会う人を書いておくと当日の移動が円滑になります。話を聞いたあとで必要な映像に気付くこともあるため、撮影日の最後に追加撮影の時間を残しておくと対応できます。

Adobeが採用動画の社内制作の流れを紹介した記事でも、求職者が知りたいことを軸にインタビューと仕事風景の映像を用意し、撮影前に音声の確認や背景に映る機密情報への備えをする流れが説明されています。導入事例でも採用でも、補足映像と撮影環境の準備は質問票と並行して進めておく必要があります。

出典:Adobe:採用動画作成のワークフロー

画面や背景に映る情報を撮影前に確かめる

業務システムの画面や事務所の様子を撮るときは、映り込む情報を撮影前に確認します。管理画面には顧客名や担当者名、取引金額などが表示されていることが多く、ホワイトボードや壁の掲示物にも社外に出せない情報が書かれている場合があります。

画面を撮る場合は、出演企業に依頼して説明用のデータを入れたテスト環境や架空のアカウントを用意してもらうと確実です。用意できないときは、表示する画面を事前に決めておき、撮影後に出演企業の担当者と一緒に映像を見返して、ぼかしが必要な箇所を記録しておきます。

音声を撮影前と撮影中に確かめる

映像が多少暗くても話の内容は伝わりますが、声が聞き取れないとその回答は動画に使えなくなります。インタビュー動画の撮影では、画面の見え方と同じかそれ以上に音声の確認に時間を割きます。

撮影場所は空調の音や外の車の音、隣の部屋の会話が入りにくい部屋を選び、本番前に話し手に数十秒話してもらってイヤホンで聞き取りやすさを確かめます。撮影中も空調が動き出したりマイクが衣服にこすれたりすることがあるので、録音を担当する人がイヤホンで聞き続け、気になる音が入った回答はその場で撮り直しを依頼します。

質問票や撮影リストを含めて、インタビュー動画の構成を外部の視点で見直したい方は、MdiiiuMの動画・コンテンツ企画支援をご覧ください。

編集では言葉の意味と話の流れを確かめる

撮影が終わったら、録った回答を構成表の順番に並べ替えて仮編集を作ります。インタビューは話し手が話しやすい順に撮ることが多く、撮影の後半で導入前の苦労を思い出して話すこともあるため、撮影順と編集順は一致しないのが普通です。まず全回答の文字起こしを作り、構成表の各場面に使える部分に印を付けておくと、並べ替えの作業を進めやすくなります。

並べ替えるときに気を付けたいのは、発言から条件を切り落とさないことです。架空の回答例で説明すると、話し手が「最初の3か月は入力の手間が増えましたが、その後は棚卸しの時間が短くなりました」と話した場合に後半だけを使うと、導入直後から作業が楽になったように見えてしまいます。

別々の質問への回答をつなげる場合も、つないだ結果が話し手の言いたかったことと同じ意味になっているかを確かめます。字幕を付けるときは言い直しや口癖を整える程度にとどめ、話し手が言っていない言葉を足さないようにします。

仮編集を話し手に見せて事実を確認する

仮編集ができた段階で、話し手と出演企業の担当者に映像を見てもらいます。完成後に修正を求められると字幕や音楽の調整までやり直しになるため、構成が固まった仮編集の時点で確認してもらうと手戻りが少なくなります。

確認してもらう点は、発言の意味が本人の意図と合っているか、数字や時期、製品名に誤りがないか、映ってはいけない情報が残っていないかです。効果を示す数字は、集計期間や対象を出演企業の資料で確かめます。裏付けを確認できない場合は、数値を使う場面を保留し、確認後に採用するかを決めてください。

公開先と利用期間の許諾を残す

公開前には、出演者本人と出演企業から、動画をどこでいつまで使えるかについて許諾を得ます。商談用に撮った動画をあとから採用サイトや広告に使いたくなることもあるので、使う予定の媒体は最初の依頼時に挙げておき、許諾の内容を書面やメールで残しておきます。

出演者の退職や取引関係の変化によって公開を止める必要が出た場合の扱いも、許諾の時点で決めておくと後から慌てずに済みます。社内に法務担当者がいる場合は、許諾書の文面を確認してもらってください。

公開先に合わせて導入と長さを調整する

同じインタビューから作る動画でも、公開先によって最初の数秒に置く内容と全体の長さは変わります。一度撮った素材は複数の動画に使えるので、企画の段階でどの公開先向けに何本の動画を作るかを決めておくと、必要な回答を撮り漏らさずに済みます。

商談で営業担当者が見せる動画は説明の流れの中で再生されるため、冒頭で会社名や製品名を長く紹介する必要はありません。3分の例のように結論の一部から入り、相手が自社に置き換えて考えられる課題と導入時の作業に時間を使います。

採用サイトに置く動画は、応募を考えている人が仕事内容を確かめる目的で見るので、冒頭で職種と担当業務を示し、仕事風景の映像を多めに使います。代表インタビューをWebサイトに置く場合は会社を初めて知る人も見るので、事業内容を短く説明してから、事業を始めた背景や今後の方針へ進むと理解しやすくなります。

SNS向けに1つの回答を短く切り出す場合は、切り出した部分だけで意味が通るかを確認します。元の動画では前後の話で説明されていた条件や時期が切り抜くと抜け落ちることがあるため、必要に応じて「導入から1年後の状況」のような字幕で補います。切り抜き動画を新たに作るときも、許諾を得た公開先に含まれているかを確かめてから公開します。

まとめ

インタビュー動画の構成は、撮影の段取りより先に、視聴者が何をどの順番で知りたいかを決めるところから始まります。次の作業として、これから作る動画の視聴者を一人具体的に想定し、営業や採用の担当者がよく受ける質問を5つほど書き出してみてください。その質問を答える順番に並べると構成表の場面の列ができ、各場面に必要な質問と補足映像を書き込む準備が整います。

よくある質問

話し手が緊張してうまく話せない場合はどうすればよいですか?
撮影の最初に、名前や担当業務、普段の一日の流れなど、答えが決まっていて話しやすい質問を置くと、話し手がカメラの前で話すことに慣れてきます。うまく言えなかった回答は言い方を変えて聞き直せば撮り直せるので、撮影前に途中で止めても言い直しても問題ないと伝えておくと、話し手の負担が軽くなります。
聞き手は社内の担当者と社外の人のどちらが務めるのがよいですか?
社内の担当者は業務や話し手のことをよく知っているため深掘りの質問を出しやすい一方で、社内では当たり前の言葉をそのまま流してしまうことがあります。社外の人が聞き手を務めると、視聴者と同じ立場で用語や前提を聞き返せます。どちらの場合も、聞き手が質問票と構成表を事前に読み込み、各場面で何の話が必要かを把握しておく必要があります。
聞き手の質問は動画に残したほうがよいですか?
聞き手の質問を音声や字幕で残す形と、話し手の回答だけをつなぐ形があり、どちらも使われています。回答だけをつなぐ場合は、話し手に質問の言葉を含めて答えてもらうと、編集後も何についての話か分かります。架空の例で言えば、導入前について聞かれて「紙でした」と答えるより、「導入前は紙の表で在庫を数えていました」と話してもらうほうが編集で使いやすくなります。
顧客企業に出演を依頼するときは何を伝えればよいですか?
動画の目的と公開先、撮影にかかる時間と場所、聞く予定の質問の概要、公開前に内容を確認してもらう機会があることを伝えます。出演企業の担当者は社内で広報や法務の承認を取る必要がある場合もあるため、構成表や質問票の案を早めに渡しておくと、相手の社内確認を進めやすくなります。

出典・参考資料

記入例・比較表は、考え方を説明するための編集例です。実際の案件や成果を示すものではありません。

この記事の監修者

放送作家の須平敦宣

須平 敦宣

株式会社MdiiiuM 代表取締役・放送作家

「めざましテレビ」「ガキの使い」「徹子の部屋」などに携わる放送作家。株式会社MdiiiuMの代表として企業の広報や商品PRの企画を提案しています。

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監修範囲:本文・作例・支援範囲を含む今回の原稿について、2026-10-14に須平さんの監修済みとユーザーが確認。。監修日:

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